施設に入った親の家はどうする？売却を検討すべき理由と手続き・注意点を解説

高齢の親が介護施設に入所すると、残された実家をどうすべきか悩む方は少なくありません。「空き家のままでいいのか？」「売却したほうがいいのか？」といった不安を抱えつつ、手続きやタイミングがわからずに動けない人も多いのではないでしょうか。

本記事では、施設に入った親の家を売却すべき理由や、売却方法と基本的な流れ、注意点や信頼できる不動産会社の選び方について解説します。

親の家の扱いに悩んでいる方が、最適な判断を下せるように、わかりやすく丁寧に紹介していきます。後悔しない決断のヒントを、ぜひ本記事で見つけてください。

施設に入った親の家は『売却』がおすすめな5つの理由

高齢の親が介護施設に入居した後、自宅をどう扱うかは家族にとって重要な判断となります。使われなくなった家をそのまま放置しておくことには、さまざまな問題が潜んでいるので注意が必要です。

売却という選択肢には、経済面や精神面での多くのメリットがあり、将来の安心にもつながります。ここでは、売却をすすめる5つの具体的な理由を紹介します。

• 空き家の管理負担とリスクを回避できる
• 介護・医療費にあてられる現金が手に入る
• 相続トラブルを事前に防げる
• 資産価値の劣化を防ぎ、有利に売却できる
• 精神的・心理的な負担を軽くできる

親の家の取り扱いに悩む方へ向けて、それぞれの理由をわかりやすく解説します。

空き家の管理負担とリスクを回避できる

空き家を維持するには、定期的な通風や掃除、水道・ガス設備の点検などが欠かせません。しかし、離れて暮らしている場合や多忙な生活を送っていると、継続的な管理は大きな負担になります。

また、建物が劣化すれば、倒壊や火災のリスクも高まります。さらに、防犯面での不安や、近隣住民からの苦情につながることもあるので注意が必要です。

こうしたリスクを回避し、安心を得るためには、空き家のままにせず売却することが現実的な選択肢になります。

介護・医療費にあてられる現金が手に入る

介護施設の利用には、月々の利用料に加えて、入居時の一時金や医療費が発生します。特に長期間の入所が見込まれる場合、費用は数百万円単位になることも珍しくありません。こうした支出に備えるためにも、親の家を売却して現金を確保することは有効です。

まとまった資金が手元にあることで、施設選びの選択肢も広がり、将来的な急な出費にも柔軟に対応できます。資産を有効に使うことで、家族の安心感も高まるでしょう。

相続トラブルを事前に防げる

家族間での相続問題は、予想以上に深刻なトラブルにつながることがあります。

特に、親の家を誰が相続するか、どのように分けるかという点は感情的な対立を生みやすくなります。あらかじめ家を売却し、現金化しておくことで、分割しやすい資産として残すことができ、相続時の混乱を防ぐことが可能です。

また、親が元気なうちに意思を確認しておけば、さらにトラブルの可能性を減らすことができます。事前の準備が平穏な相続のカギとなるでしょう。

資産価値の劣化を防ぎ、有利に売却できる

住宅は時間の経過とともに資産価値が下がるため、空き家のまま長期間放置すると売却価格にも悪影響を及ぼします。特に築年数が古くなるほど、修繕や解体の費用を差し引かれてしまうことが多くなります。

早い段階で売却を検討することで、まだ価値の高いうちに取引ができ、有利な条件で売ることが可能になります。不動産市場の状況にも左右されるため、適切なタイミングで動くことが経済的なメリットを生むでしょう。

精神的・心理的な負担を軽くできる

親の家が空き家になったままという状況は、管理や相続の不安だけでなく、感情的なストレスの要因にもなります。「手入れができていない」「このままで良いのか」という思いが積み重なると、家族にとって精神的な重荷になってしまうでしょう。

売却によってひとつの区切りがつき、家族全体が前向きな気持ちで生活を進められるようになります。家という形ある遺産に執着しすぎず、暮らしの安心と心の安定を優先することも重要です。

施設に入った親の家の売却方法は？

親が介護施設に入居した後、自宅を売却するには複数の方法があります。それぞれに特徴があり、状況に応じて選ぶことが大切です。

最も一般的なのは、不動産会社を通じて買主を探す「仲介売却」です。相場に近い価格で売れる可能性がありますが、売却完了までに時間がかかることもあります。

早く現金化したい場合は「不動産買取」も選択肢です。そのほか、状況に応じて以下の方法も検討できます。

・ローンが残っている場合：任意売却
・住み続けたい場合：リースバック

それぞれの方法にはメリットと注意点があるため、不動産会社と相談しながら進めると安心です。適切な方法を選ぶことで、家族の負担を減らすことにつながります。

親が所有者でも、家族が手続きを進めることはできる？

結論から言うと、親が所有者であっても家族が売却手続きを進めることは可能です。ただし、いくつかの条件があります。

最も重要なのは、「所有者本人の意思確認ができるかどうか」です。親が認知症などで判断能力を失っている場合は、成年後見制度の利用が必要になります。

また、たとえ本人が健在であっても、高齢や体調の関係で現場に出られない場合は、家族が代理人として動けるよう「委任状」を用意することで対応が可能です。法律や契約の要点は専門家に相談しながら、慎重に進めると安心でしょう。

親の家を売却するまでの基本的な流れ

親の家を売却する際は、まず登記簿を確認して所有者や名義に問題がないかを確認します。その後、不動産会社に査定を依頼し、価格の目安を把握しましょう。

査定内容に納得できれば媒介契約を結び、販売活動がスタートします。購入希望者が見つかれば売買契約を締結し、代金の受け取りと物件の引き渡しを行います。

基本的な流れは以下の通りです。

施設に入った親の家を売却するタイミングは？

親が介護施設に入居したあと、「家をいつ売却するべきか」は非常に悩ましい問題です。早く手続きを進めたい気持ちがある一方で、親の体調や気持ちの整理、家の状況などを考慮する必要もあります。

売却のタイミングを誤ると、想定より安く売却することになったり、後から家族間でトラブルが発生するおそれもあるため注意が必要です。

売却を考える上で、以下のようなタイミングが重要な判断材料になります。

・親の施設入居が長期化・恒久化する見込みがあるとき
・空き家になってから早めに売却する場合
・相続前に親の意志が確認できるうちに進めるとき

施設への入所が一時的ではなく、長期的なものと判断できる時期が売却の好機といえます。また、空き家状態が続くと建物の劣化が進むため、放置せずに早めの対応が望まれます。

さらに、親の意思がはっきりしているうちに売却手続きを進めることで、家族間の理解が得やすく、相続時のトラブルも回避しやすくなるでしょう。

売却は「早すぎても遅すぎても負担が大きくなる」ため、冷静に状況を見極めることが重要です。

施設に入った親の家を売却する際の3つの注意点

親が介護施設に入ったあとに家を売却することは、多くの家庭で発生する課題ですが、スムーズに進めるためにはいくつかの重要な注意点を押さえておく必要があります。

法的な問題や手続き上の落とし穴を見落とすと、後でトラブルや余計な負担が生じる可能性があるので注意が必要です。売却を進める前に、基本的な確認事項を整理しておきましょう。

• 親の意思確認ができるかどうかを必ず確認する
• 成年後見制度を利用する場合は時間と手続きに余裕を持つ
• 地域の不動産事情を理解した信頼できる不動産会社に依頼する

以下のポイントを一つひとつ確認しながら、着実に進めていくことが大切です。以下で詳しく解説します。

親の意思確認ができるかどうかを必ず確認する

親の家を売却する場合、本人の意思がはっきりしているかどうかは極めて重要です。法律上、不動産売却には所有者本人の同意が必要とされており、たとえ家族が手続きを代行する場合でも、本人の意思確認ができなければ契約は成立しません。

特に認知症などの症状がある場合、後から「意思能力がなかった」と判断されれば契約が無効になることもあります。売却を進める前に、親の判断能力を確認し、必要に応じて医師の診断書を用意するなど、慎重な対応が求められます。

成年後見制度を利用する場合は時間と手続きに余裕を持つ

親が意思表示できない状態で家を売却するには、成年後見制度の利用が必要になります。

この制度を使うには、家庭裁判所へ申し立てを行い、後見人の選任が確定するまでに数ヶ月かかることがあります。後見人が決まって初めて売却手続きが可能になるため、急な売却には向いていません。

また、後見人には売却の内容について適切な理由と計画が求められるため、資料の準備や不動産会社との調整も必要です。制度の利用を検討する場合は、時間的な余裕を持って行動することが大切です。

地域の不動産事情を理解した信頼できる不動産会社に依頼する

親の家を売却する際は、単に有名な不動産会社を選ぶのではなく、その地域に詳しい担当者がいる会社を選ぶことが重要です。地域の不動産市場は、価格相場や需要の傾向、物件の流動性などが異なり、地元事情に精通していないと適切な売却価格を設定できないことがあります。

また、信頼できる会社であれば、査定や契約の説明も丁寧で、トラブル防止にもつながります。複数の会社から比較検討し、対応の丁寧さや地域密着型かどうかを確認したうえで選ぶようにしましょう。

施設に入った親の家を売却する前にやっておきたい準備は？

家の売却は思い立ってすぐにできるものではありません。事前の準備を怠ると、手続きが滞ったり、トラブルに発展したりするリスクがあります。

特に親が高齢で施設に入所している場合は、本人の意思や家族間の合意、物件の状態などを事前に整理しておくことがとても重要です。

売却前にやっておくべき主な準備は以下のとおりです。

・登記簿や権利関係の確認
・家の中の荷物整理と室内の状態確認
・家族間での方針の共有・意思確認

登記簿の名義が本人かどうかを確認することで、売却の可否を判断できます。また、家の中に荷物が残っていると内覧時の印象が悪くなり、売却価格に影響する場合もあります。

さらに、兄弟姉妹など家族間で意見が割れていると売却のタイミングや進行に支障が出ることがあるため、事前に方針を統一しておくことがスムーズな売却につながります。こうした準備をしておくことで、安心して次のステップへ進めることができるでしょう。

信頼できる不動産会社の選び方

親の家を売却する際、どの不動産会社に依頼するかは、その後の流れや売却価格に大きな影響を与える重要なポイントです。担当者の知識や対応次第で、スムーズに契約が進むかどうかが変わります。

信頼できる会社を見極めるためには、事前にいくつかの基準を持ち、冷静に判断することが大切です。以下のポイントを押さえて選ぶことで、安心して売却を任せることができるでしょう。

• 地域に詳しい不動産会社を選ぶ
• 売却実績や口コミが確認できる会社を選ぶ
• 複数社を比較検討する

以下で詳しく解説します。

地域に詳しい不動産会社を選ぶ

不動産の売却では、物件がある地域の市場動向や買い手のニーズに詳しい会社を選ぶことが重要です。エリア特性を理解している会社であれば、適正価格の見極めや販売戦略の提案が的確で、売却期間の短縮にもつながります。

特に都市部と地方では市場の動きが大きく異なるため、全国展開の大手よりも、地元密着型の不動産会社の方が信頼できるケースもあります。現地に支店があるか、担当者が地域に精通しているかを確認することが選定のポイントです。

売却実績や口コミが確認できる会社を選ぶ

不動産会社を選ぶ際には、過去の売却実績がどれほどあるかを確認することが安心材料になります。公式サイトや資料で実績が紹介されているか、同じ地域での取引例があるかを見てみましょう。

また、実際の利用者による口コミも重要な参考情報です。Googleマップや不動産ポータルサイトのレビューなどで、対応の丁寧さやトラブルの有無がチェックできます。実績と評判の両面から会社を評価することで、信頼できるパートナーを見つけやすくなります。

複数社を比較検討する

不動産会社は1社だけに絞らず、複数社へ相談・査定依頼を行い、比較することが基本です。査定価格だけで判断せず、担当者の対応や説明の丁寧さ、地域への理解度などもあわせて比較検討します。実際、会社によって数十万円以上の価格差が出るケースもあります。

また、媒介契約の種類（専任・一般など）も各社の提案内容によって変わるため、情報を整理して冷静に選ぶことが大切です。複数社からの意見を聞くことで、より納得のいく売却が実現しやすくなるでしょう。

西湘エリアの不動産売却は『ハウスドゥ 小田原市役所前』がおすすめ

『ハウスドゥ 小田原市役所前』は、小田原市を中心に南足柄市や足柄上郡エリアなどを幅広くカバーする、地域密着型の不動産店舗です。

新築・中古一戸建てからマンション、土地まで、豊富な売却事例をもとに、適正な査定と的確な販売戦略を提供しています。特に、住みながらの売却や早期売却にも対応しており、多様なニーズに応える姿勢が印象的です。

店舗は小田原市役所のすぐ近くに位置し、アクセスの良さも魅力のひとつです。不動産売却に不安を感じる方にとっても、相談しやすい環境が整っています。

また、売却活動の進め方や市場の動きなども丁寧に説明してくれるため、初めての方でも安心して相談できるでしょう。地域事情を熟知したスタッフが、売主にとって最適な売却方法を提案してくれることも強みのひとつです。

西湘エリアで不動産の売却を検討している方は、ぜひ一度ハウスドゥ 小田原市役所前に相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ

本記事では、施設に入所した親の家を売却すべき理由や方法、注意点について解説しました。

親の家を空き家のままにしておくことには、管理負担や資産価値の低下などのリスクが伴います。早めに売却を検討することで、経済的な備えや精神的なゆとりにつながります。

また、相続トラブルの予防や、家族の将来設計にも良い影響を与えるでしょう。大切なのは、事前に親の意思を確認し、信頼できる不動産会社とともに適切な方法で進めることです。状況に応じた判断を行い、後悔のない選択を目指しましょう。