持ち家相続の手続きと活用法|相続登記義務化で知っておくべきポイント

親や配偶者が所有していた住宅を相続することになった場合、どのような手続きが必要で、相続した家をどう活用すべきか悩むことが多いでしょう。

特に2024年4月から始まった相続登記の義務化により、相続後の手続きはますます重要になっています。この記事では、持ち家相続の基本的な流れから活用方法、税金の知識まで、知っておくべき情報を解説します。

持ち家相続の基本的な流れと必要な手続き

• 相続開始から遺産分割協議
• 相続登記の方法と必要書類
• 相続登記義務化のポイント

持ち家を相続する場合、いくつかの重要なステップがあります。被相続人（亡くなった方）の死亡を知ってから相続登記完了まで、法律で定められた手続きを適切に行う必要があります。特に相続登記が義務化された現在、手続きの期限や方法を正しく理解しておくことが重要です。

相続開始から遺産分割協議

相続は被相続人の死亡時点で開始します。まず死亡届を提出し、戸籍謄本などを集めて法定相続人を確定します。次に、遺言書がある場合はその内容に従い、ない場合は相続人全員で遺産分割協議を行います。

持ち家の相続では、誰が家を相続するか、または共有にするかを決定する必要があります。協議が整ったら、遺産分割協議書を作成して全員が署名・押印します。この書類は相続登記の際に必要となります。

相続登記の方法と必要書類

相続登記とは、不動産の所有者を被相続人から相続人に変更する手続きです。管轄の法務局に申請しますが、必要書類には以下のものがあります。

1. 登記申請書
2. 相続関係を証明する戸籍謄本等
3. 遺産分割協議書または遺言書
4. 固定資産評価証明書
5. 相続人の印鑑証明書

これらを揃えるのは煩雑なため、司法書士に依頼するケースも多いです。費用は一般的に5〜15万円程度ですが、物件の数や相続人の人数によって変動します。

相続登記義務化のポイント

2024年4月1日から、不動産を相続した場合、3年以内に相続登記を申請することが法律で義務付けられました。この義務に違反すると10万円以下の過料が科される可能性があります。

ただし、これは2024年4月1日以降に相続が発生した案件に適用されるもので、それより前に相続が発生した場合でも、できるだけ早く相続登記を行うことが望ましいでしょう。また、義務化に伴い、法定相続情報証明制度など手続きを簡素化する仕組みも整備されています。

相続した持ち家の３つの活用方法

• 自分が住む・家族に住んでもらう
• 賃貸物件として運用する
• 空き家として維持管理する

相続した持ち家の活用方法には様々な選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分の状況に最適な方法を選ぶことが大切です。

自分が住む・家族に住んでもらう

最もシンプルな活用法は、自分自身や家族が住むことです。特に現在の住まいが賃貸の場合、家賃負担がなくなるメリットがあります。また、親の家に思い入れがある場合も、引き続き家族で住み継ぐことで家の価値を守れます。

ただし、立地や間取りが希望と合わない場合や、リフォームが必要な場合は追加コストも考慮すべきです。遠方に住んでいる場合は引っ越しの負担もありますが、二地域居住という選択肢もあります。

賃貸物件として運用する

自分では住まない場合、賃貸物件として運用する方法があります。定期的な家賃収入が得られるほか、空き家にせず建物の劣化を防げるメリットもあります。

ただし、賃貸経営には入居者募集や建物管理、トラブル対応など手間とコストがかかります。立地や建物の状態によっては賃貸需要が少ない場合もあるため、事前に不動産会社に相談して市場性を確認することが重要です。

管理会社に委託すれば手間は減りますが、手数料分の収益減も考慮が必要です。

空き家として維持管理する

すぐに活用方法を決められない場合や、将来的に利用する可能性がある場合は、空き家として維持管理する選択肢もあります。

ただし、定期的な点検や清掃、庭の手入れなどが必要で、放置すると建物の劣化が進むだけでなく、防犯上の問題や近隣トラブルの原因にもなります。また、固定資産税などの税金負担は継続するため、経済的な負担も考慮すべきです。

遠方に住んでいる場合は、空き家管理サービスの利用も検討するとよいでしょう。また、以下の記事では空き家の活用について書いているので参考にしてみてください。

持ち家相続に関わる税金と費用

• 相続税の基礎知識と計算方法
• 固定資産税・都市計画税の負担
• 空き家の3,000万円特別控除制度

持ち家相続では様々な税金や費用が発生します。正確な知識を持ち、適切に対応することで不必要な負担を避けることができます。

相続税の基礎知識と計算方法

相続税は遺産の総額が基礎控除額（3,000万円＋600万円×法定相続人数）を超える場合に課税されます。例えば相続人が配偶者と子2人の場合、基礎控除額は4,800万円となります。

持ち家の評価額は、土地は路線価、建物は固定資産税評価額を基に計算されるため、市場価格より低くなるケースが多いです。また、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など、様々な特例や控除制度があります。

相続税が発生しそうな場合は、専門家に相談して適切な対策を取ることをおすすめします。

固定資産税・都市計画税の負担

持ち家を相続すると、固定資産税・都市計画税の納税義務も引き継ぎます。固定資産税は土地・建物の評価額に対して約1.4%（地域により異なる）、都市計画税は約0.3%が毎年課税されます。

また、空き家として放置し「特定空き家」に指定されると、住宅用地の特例が適用されず、最大で税額が6倍になる可能性もあります。

空き家の3,000万円特別控除制度

相続した空き家を売却する場合、一定の条件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例制度があります。条件は以下のものがあります。

1. 相続開始の時に被相続人が一人で住んでいた家屋であること
2. 相続開始から売却までの間に居住や貸付などの用途に供されていないこと
3. 相続開始から3年10か月を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること

この特例を利用すれば、売却益にかかる税金を大幅に減らせる可能性があります。詳細は税理士に相談するとよいでしょう。

相続した家が共有名義になった場合の対処法

• 共有持分の売却方法
• 共有物分割請求とは

複数の相続人がいる場合、持ち家が共有名義になるケースがあります。共有状態は様々な問題を引き起こす可能性があるため、適切な対処が必要です。

共有持分の売却方法

相続によって複数人の共有名義になった家では、各相続人は自分の持分（共有持分）を自由に売却できます。ただし、共有持分だけを一般の市場で売却するのは難しく、通常は大幅に値引きしないと買い手がつきません。

多くの場合、他の共有者に買い取ってもらうか、全員で合意のうえ物件全体を売却するのが現実的です。なお、共有者間で優先買取の取り決めがある場合は、まず他の共有者に買取の意思を確認する必要があります。

共有物分割請求とは

共有状態の解消方法として「共有物分割請求」という法的手段があります。これは共有者の一人が裁判所に申し立て、共有関係の解消を求める手続きです。

分割方法には、以下の方法があります。

1. 現物分割（土地を分筆するなど）
2. 換価分割（売却して代金を分ける）
3. 価格賠償（一人が所有権を取得し、他の共有者に対価を支払う）

特に合意形成が難しい場合の最終手段となりますが、裁判になると時間と費用がかかるため、できれば話し合いでの解決が望ましいでしょう。

西湘エリアの空き家買取はハウスドゥ 小田原市役所前がおすすめ

相続した持ち家を売却する選択肢を検討している方、特に西湘エリア（小田原市、南足柄市、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町、箱根町、真鶴町、湯河原町）にある物件をお持ちの方には、「空き家買取ドットコム」を運営するハウスドゥ 小田原市役所前がおすすめです。

ハウスドゥ 小田原市役所前は地域密着型の不動産買取専門会社で、築年数が古い物件や再建築不可の物件、遠方で管理が難しい物件など、一般的な不動産会社では扱いにくい物件でも積極的に買取を行っています。相続した空き家はそのままの状態で買取可能で、家財道具や不用品の片付けも不要です。

また、通常の売却では買い手が見つかるまで数ヶ月かかることが多いですが、ハウスドゥ 小田原市役所前なら最短3日での現金化が可能です。

相続税の納付や共有持分の買取資金が必要な場合など、早急に現金化したい場合に特に有効な選択肢となります。無料査定を行っていますので、相続した持ち家の活用方法に悩んでいる方は、一度相談してみることをおすすめします。

まとめ

持ち家相続は、手続きの複雑さや税金面の知識、活用方法の選択など、様々な検討事項があります。特に相続登記が義務化された現在、適切な手続きを期限内に行うことが重要です。

相続した持ち家の活用法は、自分や家族が住む、賃貸に出す、売却する、空き家として維持管理するなど様々な選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分の状況に合った選択をすることが大切です。

税金面では、相続税の基礎控除や各種特例制度の活用、固定資産税の負担、空き家の3,000万円特別控除制度など、知っておくべき知識が多くあります。専門家のアドバイスを受けながら、最適な対策を取りましょう。

複数の相続人がいる場合は、共有状態を避け、早期に話し合いで解決することが望ましいです。早めの決断と行動が、将来のトラブルや資産価値の低下を防ぐ鍵となります。

相続は人生の中でも特に重要です。正しい知識と適切な判断で、後悔のない相続を実現しましょう。