空き家管理において、ネズミによる被害は深刻です。清掃や点検などの管理が行き届いていない場合、ネズミが建物の劣化を早め、資産としての価値を下げる原因にもなり得ます。
そのため、空き家を所有する場合は、ネズミ被害に備えた対策が必要です。また、ネズミがいることが確認できた場合は、駆除する方法も知っておくべきでしょう。空き家を活用・売却のどちらを選ぶにしても、放置しておくことはおすすめしません。
この記事では、ネズミが空き家に住み着くことでもたらす被害や原因、対策・駆除方法について解説していきます。今後空き家を所有する予定のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
また、以下の記事では、西湘エリアの空き家について触れているサイトなので、参考にしてみてください。
なぜネズミは空き家に住み着くのか？
ネズミが空き家に住み着く原因として、以下の4つが挙げられます。
それぞれの理由について解説していきます。
天敵となる人や猫がいない
空き家にネズミが住み着く要因の一つが、天敵となる人や猫の存在がないことです。ネズミは警戒心が強く、人の気配や動物の匂いを敏感に察知する習性を持っています。
しかし、空き家のように人の出入りが少なく、猫などの捕食者もいない環境では、安心して巣作りや食料探索を行うことができるのです。このような状況では、ネズミは短期間で繁殖を繰り返し、被害が急速に拡大してしまう恐れがあります。
特に空き家を適切に管理していないと、人の行き気がないため、ネズミは空き家に住み着きやすくなります。こうした環境を放置しておくと、駆除するのにも時間がかかります。
このように、天敵がいない環境はネズミにとって好都合なのです。
侵入経路が豊富
空き家にネズミが住み着く理由として、侵入経路が豊富である点も挙げられます。人の出入りが少なくなることで建物の老朽化が進み、わずかな隙間や亀裂からネズミが簡単に侵入できる状態になります。
また、換気口や配管の隙間、屋根裏の小さな破損部分なども、ネズミにとっては格好の侵入口となります。通常、使用されている住宅では定期的なメンテナンスが行われるため、こうした穴や隙間は早期に修繕されますが、空き家では放置されるケースが多く、侵入リスクが高まります。
ネズミはわずか2センチ程度の隙間でも体を押し込んで侵入できるため、建物の劣化が進む空き家では防ぎきれないことが少なくありません。このような事情により、空き家はネズミの格好の住処になりやすいのです。
食べ物の残りやゴミが放置されやすい
食べ物の残りやゴミの放置も、ネズミが住み着く原因です。清掃や整理整頓が行き届いていないと、台所や物置に食べかすや古い食材がそのまま放置されることが多くなります。
ネズミは嗅覚が非常に優れており、わずかな食品のにおいにも敏感に反応するため、空き家に引き寄せられてしまいます。また、新聞紙や段ボールなどのゴミも巣作りに利用されるため、結果的に繁殖しやすい環境が整ってしまうでしょう。
このような状況が長期間続くと、ネズミの侵入が常態化し、建物内部で大規模な被害を引き起こすリスクが高まります。空き家を管理する際には、食べ物を一切残さず処分し、ゴミもこまめに片付けなければいけません。
静かで暗い空間が多い
空き家の特徴として、静かで暗い空間が多いことが挙げられます。人の出入りがない場所は、外敵から身を守るための格好の隠れ場所となり、ネズミにとって過ごしやすい環境と言えます。
特に以下の場所は昼夜を問わず薄暗く、天敵に見つかりにくいため、安全に巣を作る場所として好まれます。
- 屋根裏
- 床下
- 押し入れ
また、物が放置されたままの空き家では隙間や隠れ場所が豊富に存在するため、ネズミが繁殖しやすい状況となっています。このような環境が放置されると、ネズミは一度住み着いた後も長期間その空き家を離れず、被害が拡大する可能性が高まります。
定期的な換気や見回りを実施していないと、静かで暗い空間を減らすことは難しいでしょう。
空き家でのネズミ被害5選
空き家にネズミが住み着いてしまうと、以下のような被害が想定されます。
それぞれの被害について解説していきます。
建物の劣化・損壊
空き家におけるネズミ被害の一つに、建物の劣化や損壊が挙げられます。ネズミは硬いものをかじる習性があり、木材・断熱材・電気配線などを容赦なく破壊します。
特に配線をかじられると漏電や火災のリスクが高まり、空き家全体の安全性が著しく低下します。また、床下や壁内部に巣を作ることで構造部分が損傷し、建物の耐久性にも深刻な影響を与える恐れがあります。
最悪の場合、修復が難しいレベルに至ることがあり、建物の資産価値を著しく損なう要因となります。こうした事態を防ぐためには、早期の発見と対策が不可欠です。放置していると、被害が甚大になります。
糞尿による悪臭・腐敗
ネズミは一度棲みついた場所では、巣作りや移動の過程で至るところに糞や尿を排泄します。これが蓄積すると、建物内部に強烈な悪臭が広がり、周囲の空気環境を著しく悪化させます。
また、糞尿に含まれる成分によって床材や壁材が腐食し、建物の劣化を早める要因にもなりかねません。特に長期間放置された空き家では、糞尿の発酵が進み、腐敗臭が建物全体に染みついてしまうケースもあります。
このような状況になると、簡単な清掃では対応できず、大規模なリフォームや解体を余儀なくされる場合もあります。
感染症や衛生リスクの拡大
空き家にネズミが住み着くと、感染症や衛生リスクの拡大という深刻な被害が発生します。
ネズミはサルモネラ症やハンタウイルス肺症候群など、人間にとって危険な病原菌を媒介することが知られています。空き家内でネズミが排泄を繰り返すと、糞尿による汚染が進み、建物全体の衛生状態が著しく悪化します。
また、ネズミの体毛や足裏にはさまざまな細菌やウイルスが付着しており、歩き回ることで広範囲に病原体を拡散させます。このような環境下では、空き家を訪れた際に感染症に罹患するリスクが高まるため、放置は非常に危険です。
ネズミによる衛生リスクは高く、発見した時点で対策しなければいけません。
巣や死骸の放置による害虫発生
空き家におけるネズミ被害として、巣や死骸の放置による害虫発生が挙げられます。ネズミは屋根裏や壁の隙間などに巣を作り、繁殖を繰り返す習性がありますが、その過程で糞尿や食べ残しを放置するため、 不衛生な環境が形成されます。
また、ネズミが死んだ場合には、その死骸がハエやゴキブリなどの害虫を引き寄せる原因となり、建物内で二次的な被害が発生することになります。
害虫の繁殖が進むと、悪臭が漂うだけでなく、建物の資産価値にも大きな悪影響を及ぼすため、早急な対応が求められます。空き家を所有している場合は、ネズミの巣や死骸の有無を定期的に確認し、適切に対処することが必要です。
近隣からの苦情にも発展する
ネズミが住み着いた空き家では、物理的な被害だけでなく、近隣からの苦情に発展する恐れがあります。
ネズミは建物内を移動する際に大きな足音を立てたり、壁や天井をかじったりするため、隣接する住宅にまで騒音が伝わります。また、糞尿による悪臭が周囲に漂うことで、近隣住民の生活環境に悪影響を及ぼします。
さらに、ネズミが持つ感染症リスクも、健康被害への不安から苦情が寄せられることも少なくありません。このような事態が続くと、地域での信頼関係が損なわれ、最悪の場合は行政指導・法的措置に発展する可能性もあります。
近隣との良好な関係維持をするためには、ネズミ被害を最小限に抑えることが重要です。
【防止策】空き家でのネズミ被害を防ぐ対策
空き家でのネズミ被害については、未然に防止するための対策が不可欠です。具体的には、以下の4つが有効です。
それぞれの対策について解説していきます。
侵入経路を徹底的に遮断する
空き家におけるネズミ被害を未然に防ぐには、侵入経路を徹底的に遮断することが有効です。ネズミはわずか2センチメートル程度の隙間でも侵入できるため、以下のような箇所を細かく点検し、隙間や穴を見つけ次第、金網やパテ、鉄板などで確実に塞ぐのが効果的です。
- 建物の外壁
- 基礎部分
- 屋根周辺
特に給排水管の周囲や換気口は見落としがちな侵入口となるため、専用のカバーや防鼠ブラシを取り付けましょう。また、老朽化した窓枠や扉の隙間も補修を怠らず、ネズミが内部に侵入する機会を与えないよう徹底することが求められます。
侵入経路を遮断する対策は一度行っただけでは不十分なため、定期的な点検と補修作業を継続することが、ネズミの侵入を防ぐことにつながります。
清潔な状態を保つ
建物内外を清潔な状態に保つことも、ネズミ被害を防ぐために重要です。ネズミは食料や巣材を求めて住み着くため、食べ物の残りやゴミ、不要物が放置されていると被害のリスクが一気に高まります。
特に以下のようなものは、ネズミにとって格好の餌や巣作り材料となるため、完全に撤去しておくことが必要です。
- 食品
- 生ごみ
- 紙類
- 布製品
また、建物周囲の雑草や枯れ葉があれば除去し、ネズミが隠れやすい環境を排除します。定期的な清掃と整理整頓を徹底することで、ネズミが寄り付く要素を取り除き、空き家を清潔に保つことが可能です。
被害を未然に防ぐためには、放置せず管理し続けなければいけません。
防鼠用品を活用する
ネズミ被害対策として、防鼠用品の活用は非常に効果があります。市販されている防鼠用品には、超音波を発生させる機器や忌避剤、トラップ型の商品など多様な種類があり、それぞれ目的や空き家の状況に応じて使い分けることが可能です。
超音波機器はネズミが嫌う特定の音波を発して近寄らせない効果があり、薬剤を使わないため環境にも配慮できます。一方、トラップはすでに侵入したネズミを捕獲するために有効で、早期発見と駆除につながります。
これらの防鼠用品は定期的に効果を確認し、必要に応じて交換や補充を行いましょう。ネズミ専用の用品を使うことで、専門業者に依頼しなくても対策することは可能です。
残置物や不用品を撤去する
空き家に放置しがちな残置物や不用品は、撤去しておくのがベストです。ネズミは巣作りに適した資材を求める習性があり、布製品や紙類、段ボールといった放置された物品は絶好の材料となります。
これらの物があると湿気がこもりやすく、暗く静かな環境を生み出してしまうため、ネズミの定着を助長する原因となるでしょう。放置された食料品やゴミも、ネズミにとっては格好の餌となり、繁殖のリスクを高めます。
ネズミの侵入・繁殖を防ぐには、室内外の不要物を徹底的に処分し、清潔な状態を保つことが重要です。清掃後も定期的な巡回と点検を行うことで、早期に異変を察知し、被害拡大を未然に防ぐ体制を整えられます。
【駆除】ネズミを発見した場合の駆除に使えるアイテム
ネズミは侵入を防ぐのが理想的ですが、気付かぬうちに住み着いていたケースも考えられます。ネズミを発見した際の駆除に有効なアイテムは、以下の4つです。
それぞれの駆除アイテムについて解説していきます。
粘着シート
ネズミの駆除に有効なアイテムが、粘着シートです。粘着シートは設置が簡単でありながら即効性が高く、ネズミの移動経路に置くだけで捕獲が可能です。
毒餌とは異なり、建物内でネズミが死亡してしまうリスクが低く、悪臭や衛生面での二次被害を防ぐことができる点も大きなメリットです。狭い通路や壁際など、ネズミが通りやすい場所に設置することで高い効果が期待できます。
ただし、粘着シートに捕獲されたネズミは速やかに処理しなければ、衛生問題や他の害虫発生の原因となるため、設置後の管理も重要になります。粘着シートを設置した場合は、点検のたびにネズミが引っかかっていないかチェックするようにしましょう。
毒餌（殺鼠剤）
毒餌はネズミが好む餌に有毒成分を混ぜたものであり、設置後にネズミが摂取することで駆除できる点が特徴です。ネズミの数が多い場合や、巣の場所が特定できない場合でも効果が期待できるため、空き家のように人の出入りが少ない場所に適しています。
ただし、設置後に死亡したネズミの回収を怠ると、悪臭や害虫の発生リスクが高まるため注意が必要です。さらに、ペットや野生動物への誤食を防ぐため、使用場所や方法を厳密に管理することが求められます。
市販されている毒餌は種類が豊富で、目的に応じて選定することも重要なポイントとなります。設置場所に注意すれば、毒餌はネズミの駆除に役立つアイテムです。
超音波装置
空き家でネズミを発見した際の駆除対策として、超音波装置の活用が効果的です。
超音波装置は、人間には聞こえない高周波音を発生させることで、ネズミに不快感や警戒心を与え、空き家から追い出す装置です。薬剤を使わずに駆除を試みたい場合や、子どもやペットが出入りする可能性がある空き家など、安全性を重視する場合に適しています。
しかし、ネズミは環境の変化に慣れる性質を持つため、超音波装置の設置場所をこまめに変える工夫や、他の駆除手段と組み合わせることが推奨されます。
広範囲をカバーできる機種や、周波数を変化させるタイプもあるため、被害状況に応じて種類を選びましょう。適切に運用すれば、超音波装置はネズミの定着防止にもつながる有効なアイテムとなります。
忌避剤・スプレー
空き家でネズミを発見した場合、忌避剤やスプレーを使うことで駆除できます。
忌避剤はネズミが嫌う匂いや成分を放出し、近づかせない効果を狙った製品です。スプレータイプならピンポイントで使用できるため、即効性が期待できます。巣を作りそうな隙間や通り道、侵入経路に噴射することで、被害拡大を防ぐことが可能です。
ただし、忌避剤はあくまでネズミを遠ざけるための補助的な役割であり、すでに建物内に定着してしまった場合は、他の駆除方法と併用することが望ましいです。
製品によっては持続期間や成分が異なるため、状況に応じて適切なものを選び、定期的に再噴射するなど継続的な対策が必要です。
自力での駆除が難しい場合は専門業者に依頼する
ここまで駆除方法について解説してきましたのが、自力での駆除が難しい場合は、専門業者に依頼することがおすすめです。
専門業者はネズミの習性や生態を熟知しており、被害の状況に応じて最適な駆除方法を提案してくれます。また、巣の発見や侵入口の封鎖といった再発防止策まで一貫して対応できるため、根本的な解決が期待できます。
初心者や経験のない人が対応しようとすると、衛生面にも配慮されない可能性があり、感染症や悪臭などの二次被害を引き起こすかもしれません。専門業者は、こうした二次被害も想定した上での駆除が可能です。
専門業者を選ぶ際は、対応実績やアフターフォローの有無を確認し、信頼できる業者に依頼することが重要です。被害が軽微なうちに早期相談することで、費用負担も抑えられるでしょう。
ネズミが空き家にいるかチェックするポイント
ネズミが空き家に住み着いているかどうかは、一見すると判断しにくいです。そのため、以下のポイントをチェックしてみましょう。
- フンが落ちていないか
- かじり跡がないか
- 物音がしないか
- 異臭・アンモニア臭がしないか
- 巣材や食い散らかした跡がないか
- 足跡やスス跡がないか
- 侵入可能な隙間・穴がないか
ネズミが生活している形跡がある場合は、高確率で住み着いているでしょう。フンや足跡は、ネズミがその場で生活していたことの証明になります。
また、においや物音も重要なチェックポイントとなります。特に夜間に生き物が動いている気配があれば、ネズミが住み着いていることはほぼ確実です。空き家にネズミがいるか確認する際は、上記のポイントを入念に調べるようにしましょう。
空き家のネズミ問題を解決する方法
一度ネズミが住み着いた空き家には、駆除しても再度ネズミが侵入するリスクがあります。ネズミの問題を根本的に解決する方法としては、以下の3つが有効です。
それぞれの方法について解説していきます。
解体する
空き家のネズミ問題が深刻な場合、建物を解体することで問題を解決できます。長期間放置された空き家は老朽化が進み、ネズミが侵入しやすい隙間や壊れた箇所が増えるため、被害の根本的な除去が難しくなります。
こうした状況では、建物自体を撤去することでネズミの棲みかを物理的に排除し、周囲への被害拡大も防ぐことが可能です。再利用や修繕が困難な空き家の場合、解体は地域環境の改善にも効果があり、近隣から苦情を受けるリスクも低減します。
しかし、解体を実施するには費用が発生するため、自治体の補助金制度や税制優遇措置を活用するのがおすすめです。解体後は土地の管理にも注意し、再びネズミが寄り付かない環境づくりを意識しましょう。
リフォームする
老朽化が進んだ空き家では、基礎部分のひび割れや外壁の隙間、屋根裏の劣化箇所などからネズミが侵入しやすくなっています。こうした物件については、リフォームによって侵入口を徹底的に塞ぐことで、再びネズミが入り込むリスクを低減できます。
リフォームでは以下のような工事を行うことで、ネズミ被害を防ぐことが可能です。
- 床下や壁内部の補修
- 防鼠対策を施した素材への交換
- 通風口や配管周辺の防御強化
リフォームによって物件の見た目を美しく整えるだけでなく、構造的な弱点を補強することで建物自体の寿命も延ばせます。リフォーム後は清潔な状態を保ちやすくなり、衛生的な空間を維持できるため、持続的な効果が期待できます。
売却して手放す
空き家のネズミ問題から解放されるために、売却して手放す選択もあります。ネズミ被害が続く空き家は管理や修繕の手間が増え、精神的・経済的な負担が大きくなります。
そのため、空き家自体を売却することで管理リスクを完全に断ち切り、負担を解消することが可能です。近年では空き家買取に特化した業者も増えていて、リフォームや清掃を必要とせず現状のまま売却できるケースも珍しくありません。
売却する場合は資産価値の低下を防ぐために、被害が深刻化する前に行動ことで、より良い条件での売却を目指せます。空き家の維持が困難だと感じた時は、早めに売却を検討することで、ネズミ問題の抜本的な解決につながるでしょう。
西湘エリアの空き家買取はハウスドゥ 小田原市役所前がおすすめ
西湘エリアで空き家の売却を検討されている方には、ハウスドゥ 小田原市役所前がおすすめです。小田原市を中心に、地域密着型の不動産サービスを提供しています。
| 項目 | 詳細 |
| 屋号 | ハウスドゥ 小田原市役所前 |
| 会社名 | 株式会社Forest field |
| 所在地 | 〒250-0042神奈川県小田原市荻窪531-6 |
| 電話番号 | 0465-34-2555 |
| 公式HP | https://odawarashiyakusyomae-housedo.com/satei/ |
| 免許番号 | 神奈川県知事(1)第31148号 |
